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ミステリーが少ない韓国ドラマの事情

2016’07.08・Fri

ミステリーが少ない韓国ドラマの根本的な事情

韓国ドラマが描く世界を見ていくと、「ホームドラマ」「時代劇」「ラブコメディー」が3大ジャンルといえるだろう。
その一方で、日本とはまったく違う傾向も見られる。
それは、ミステリーが少ないということだ。
そこには、どんな理由があるのか。

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日本では時代劇が少ない

韓国では定番とも言える人気ジャンルの時代劇。
韓国人の歴史好きを反映して制作される本数も非常に多い。

その反対に、日本のテレビドラマでは時代劇が極端に少なくなり、民放では連続ドラマからすっかり影をひそめてしまった。

これは、ドラマ制作を企画するプロデューサーたちが、時代劇を好む中高年の嗜好を番組に生かす熱意に欠けているからかもしれない。

こうした傾向が続くと、時代劇を作るノウハウが若い制作スタッフに伝わらなくなり、いざ時代劇を作ろうとしても専門スタッフがまったく集まらない、という事態にもなりかねない。

そういう意味では、育成を怠ったことによる作り手の欠如が、やがて時代劇でも大問題になってしまうだろう。

時代劇ファンには本当に悲しい現実だ。

ミステリーが盛んではない韓国

一方の韓国。
日本のテレビドラマと比べて「あのジャンルのドラマがほとんどないなあ」と言う場合の「あのジャンル」が、ミステリーなのである。

日本では、ミステリーを扱ったドラマが多い。
警察ドラマを含めれば、全ドラマの中でもかなりの割合を占める。

なぜ、日本のドラマにはミステリーが多いのか。

相応の視聴率を取れることが大きな理由だが、それ以上に見逃せないのが「原作が潤沢にある」という事実だ。

日本は世界有数のミステリー小説大国であり、次々と傑作が誕生している。
それだけ優秀な書き手が多く、古くは松本清張から今なら東野圭吾や横山秀夫まで、錚々たる顔ぶれがいる。

そういう名手の小説を原作にできるのが、日本のテレビドラマにミステリーが多い理由になっている。

しかし、韓国では、そういうわけにはいかない。
なぜなら、ミステリー小説や警察小説がまったく盛んではないからだ。

ミステリーの需要も少ない

韓国では、小説というと純文学だけが重んじられる傾向が強く、娯楽用のエンタメ小説はずっと軽視されてきた。

ただし、1980年代から一時的にミステリー小説に読者が関心を示した時期もあったのだが、有力な小説家が現れなかった結果、質が高くない作品が量産されてしまい、ミステリーは小説の世界で主流になれなかった。

その結果、優れた作家は「いかに生きるか」というテーマを追求する純文学に集中し、読者もそれを支持してきた。
このあたりの事情は日本とかなり違う。

当然のことだが、映画やドラマという映像作品は、脚本がなくては成立しない。
その脚本も原作があればいくらでも作れるのだが、韓国ではミステリー小説が盛んではないので、映像にふさわしい原作がほとんどないのである。

日本もそうだが、ミステリーは原作に頼る割合が高い。
それは、トリックや結末が精巧でなくてはならないからだ。
つまり、優秀な作家が時間をかけた原作が不可欠なのだ。

もう一つ、決定的な理由がある。
韓国ではミステリー小説がとても少ないので、一般の人もミステリーになじんでいない。
つまり、需要が少ないということだ。

これでは、プロデューサーがミステリーを扱ったドラマを企画しないのも仕方がないだろう。

そうした根本的な事情によって、韓国ではミステリーを扱ったドラマが少ないのである。

文=康 熙奉(カン ヒボン)

-愛してる韓国ドラマK-POP-




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