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「知韓派」が見る最近の韓日関係

2018’01.16・Tue

「知韓派」日本言論人が見る最近の韓日関係

朝日新聞の箱田哲也論説委員(52)は13日、中央SUNDAYのインタビューで、文在寅(ムン・ジェイン)政権の韓日慰安婦合意検証タスクフォース(TF、作業部会)発表とその後の政府の対応に「遺憾であり、強い不安を感じる」と述べた。

箱田氏は2回の韓国特派員勤務を合わせて計10年間も韓国に滞在した知韓派言論人だ。
箱田氏は1991年8月に故金学順(キム・ハクスン)さんが初めて韓国人慰安婦の存在を公開的に証言して以来、慰安婦被害者、韓日両国の政治家と市民団体関係者を相手に取材してきた。
朝日新聞はその間、日本の保守系メディアとは違い、被害者の観点で慰安婦問題を扱ってきたという定評がある。

--なぜ検証TFの結果に失望したのか。

「文在寅(ムン・ジェイン)政権には責任がある姿勢でこの問題に終止符を打とうという考えが本当にあるのか疑わしい。TFは高く評価しなかったが、2015年の日韓慰安婦合意には日本側の責任とおわび、反省を明確に込められている。四半世紀の間、両国は一度も合意しなかったため、日本政府、しかも歴史問題に強い執着を見せる安倍政権が事実上、国家としての責任を認めたのは『歴史的な事件』だった。TF報告書では朴槿恵(パク・クネ)政権の失政を強調したいという意志が強く感じられた。ただ、TFは日本が拠出した10億円と少女像移転問題を交換したという密約がなかったということを明確にした。この問題をめぐり朝日新聞など多くの日本・韓国メディアによる不正確な報道があった」

--韓日関係の未来が不安だということか。

「文在寅政権が果たして2年前の合意より進展した結果を作り出すことができるだろうか。今回の韓国政府の対応を日本で最も歓迎する人は皮肉にも嫌韓派だ。『ほら見ろ、約束を守らないのが韓国の本当の姿だ』と叫ぶ機会をつかんだ。先入観を抱かずありのままの韓国を理解しようと言いながら両国の懸け橋の役割をしてきた人たちの立場が狭まっている」

--合意に込められた「不可逆的な解決」という表現に批判が多いが。

「TFの発表のようにこの表現は韓国が先に提案した。当時、提案を聞いた日本側は非常に驚いた。韓国は、日本がまた2014年の『河野談話検証』のように責任と謝罪に対する立場を覆すような言動をしてはならないという意味で提案した。TFは交渉途中にこうした立場が逆になって『今回の慰安婦合意は不可逆的な解決』と脈絡が変わったと指摘したが、あえてそうする必要があるのか。韓国側は『不可逆的』の趣旨を自ら変えたり訂正した事実は今まで一度もなかった」

--当時、米国の圧力で両国が急いで合意したという指摘もあったが。

「私が取材したところによると、合意当時に米国の圧力は全くなかった。朴槿恵政権が慰安婦問題の進展を日韓首脳会談の前提条件としたため問題がさらに複雑になったというTF報告書の内容には同意する。日本は朴槿恵政権の発足初期から慰安婦問題以外の事案により尹炳世(ユン・ビョンセ)外交部長官に対する強い不信感を抱いていた。このため尹長官ラインでは両首脳間で本音で交渉できないと判断し、秘密接触が始まった。取材の過程で知った交渉内容をすべて明らかにすることはできないが、当時、韓国側は非常に強い決意を持って交渉に臨んだ。交渉を主導した李丙ギ(イ・ビョンギ)元大統領秘書室長は家族に慰安婦被害者がいるのではと思うほど強く日本に攻勢を見せ、日本は最後まで苦しんだ。今回のTFは韓国に残っている書類だけを見たはずだが、当時の日本政府の状況と交渉の雰囲気を把握していない。実際は報告書の内容とは違い、非常に激しい状況だった」

--日本でも合意後の反発が多かったが。

「合意後、両国政府の対応は正反対だった。日本国内でも『国家責任』を認めた部分に非難が多かったが、安倍政権は合意の前向きな部分を集中的に浮き彫りにして世論をなだめた。一方、韓国では歴史的な成果の部分は浮き彫りにせず、否定的な部分ばかりに焦点を合わせた。韓国政府は責任追及に対する負担感のためか、大統領や外交長官が前に出て被害者や支援団体関係者に会って成果を説明しなかった。そのようにしていれば今のような世論が形成されたのだろうか。『不可逆的』の趣旨がある瞬間に変わった点だけを見ても韓国側の対応はあまりにも未熟だった」

--交渉に参加した両国関係者の運命も克明に分かれた。

「日本では当時交渉に参加した担当者が順調に昇進した。政府の決定に欠陥がないという点を見せるためだった。一方、韓国側の関係者は私が見ても哀れなほど冷遇された。日韓関係を考えてあえて難しい作業に取り組んだ和解・癒やし財団の理事陣に対する批判もそうだ。このような形なら、今後、韓国の政治家や外交官のうち日本との歴史問題を解決するための交渉テーブルに出ようとする人がいるだろうか。責任のある席をみんなが避ければ、結局、韓国の被害者の方々だけが取り残されるだろう。両国に、特に若い世代に非常に不幸なことだ」

--今後、韓日関係はどうなるだろうか。文大統領は歴史問題と未来志向的協力を分離するという立場なのに。

「韓国は合意破棄や再交渉を要求しないと述べたが、安倍政権はもちろん政権が交代しても、日本が慰安婦問題を政府間の交渉テーブルに再び載せることはおそらくないだろう。過去の日本の保守政権なら経済・文化交流のような分野と政治問題を分離できるだろうが、今の日本政府にはそのような余裕が全くない。韓国経済が不安定になることは日本にも悪材料だが、日韓通貨スワップ再開などの交渉にマイナスの影響を及ぼすことになるだろう。私が最も心配するのは政治色がほとんどない日本市民の関心が韓国から離れることだ。韓流ドラマやK-POPの人気は相変わらずだが、全般的に韓国を訪問する日本人はさらに減るだろう」

--今後、韓国はどのように対応すべきだろうか。

「日本は河野談話が依然として政府の基本立場だと述べ、安倍首相自身も戦後70年談話で『私たち日本人は世代を超えて過去の歴史に真正面から向き合わなければいけない』と述べた。文大統領は新年の記者会見で『日本の誠意ある謝罪が慰安婦問題の解決』と述べたが、むやみに謝罪しろというのではなく、むしろこうした日本側の発言を活用して牽制する知恵が必要だ。2015年の合意発表当日、私は朝日新聞の1面に『合意は政治的な決定にすぎない。重要なのはこの器に魂を吹き込むことだ』といういうコラムを書いた。政府・市民団体・学界・メディアなどがそれぞれの位置で魂を吹き込む活動をしなければいけない」

インタビューの最後に箱田氏は「記者として日本では日本政府の問題点や改善点を指摘した。ところが今回は韓国の読者に訴えることができる貴重な機会だと考え、厳しい表現も率直に述べた」と了解を求めた。
続いて「日韓関係の悪化を心配する記者の独言だと理解してほしい」と話した。

また旧日本軍慰安婦被害者の名誉を傷つけた容疑で2審で有罪判決を受けた朴裕河(パク・ユハ)世宗大教授の事件に対する自らの考えを必ず入れてほしいと要請した。
箱田氏は「日本社会で朴教授を熱心に支援する人々は日韓間の友好を強く望んで活動してきた人たち」とし「もし最高裁で有罪判決が出れば、日韓関係に非常に大きな悪影響を及ぼすだろう」と懸念を表した。

朴教授は2013年8月に出版された著書で、旧日本軍慰安婦被害者について虚偽事実を記録した容疑で起訴され、1審では無罪となったが、2審では罰金刑を言い渡された。

01_20180116160202df9.jpg◆箱田哲也論説委員
1965年生まれ。88年に朝日新聞入社。99年から2003年までソウル特派員。2008年から2013年までソウル支局長。2013年4月から現在まで朝鮮半島担当論説委員。 


- 中央SUNDAY-



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