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「韓国に行くのは心のリハビリです」

2018’07.10・Tue

対談/植村誠・康熙奉「韓国に行くのは心のリハビリです!」

韓国に50回以上も出掛けて主な鉄道をすべて乗り尽くした植村誠(探訪ライター)と康熙奉(カン・ヒボン)が韓国をテーマに語り合います。

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写真撮影/植村誠

距離感を縮める対人関係

康「やっぱり、韓国の旅は楽しいですよね」

植村「日本の旅と似たところもあります。けれど、ちょっと違うんですよね。その違うところの何に魅力を感じるのか。それによっても印象が変わってきます。とにかく、やめられない面白さがあると思います」

康「人間が面白いですよね」

植村「本当に同感です。以前、康さんが書かれた韓国紀行の本を読んで、『この人、同じこと考えてるんだな』と思いました」

康「韓国の人は知り合いになるととてもフレンドリーで、距離感をとことん縮めてフトコロに飛び込んでくるんです。市場の屋台では、結構酔っぱらっている人が多くて、ちょっと話すと『家へ来い!』とすぐに家まで引っ張っていこうとする人もいれば、意味もなくラッパを吹いている人もいます(笑)。なんでラッパなのか、よくわからないのですが……。やたらと話しかけてくる人が多いですね」

植村「対人関係で距離感を縮めるのが韓国のスタイルですね」

康「日本でも昭和の時代を懐かしむ風潮がありますが、日本から韓国へ行くと、国全体がそういうノスタルジックな雰囲気を漂わしてますね」

植村「確かにノスタルジックな部分が多いですね。光州(クァンジュ)では、子供のときに出歩いた風景に近いものを感じました。やはり韓国というのはある種の懐かしさをくすぐるところがあると思いました。ただ、いま康さんがおっしゃった『昭和』というレッテルはあえて貼りたくないという気持ちも同時にあります。そこにあるのは、現代を生きる
韓国という国であり、人々であり、町であるというところです」

康「その心情はよくわかりますね」

文化的にも中国と日本のド真ん中

植村「ソウルという大都市の一画にも、雑多な町がまだ残っています。いま、『まだ』と言いましたけれど、それが町の活気につながっています。ただし、韓国にある種の期待をして出かけて行って、裏切られることもあります。たとえば、初めて慶州(キョンジュ)に行ったときのこと。『何だ、慶州ってこんな町か』という印象。食堂があまりなくて、本当に困りました」

康「確かに、慶州は食堂が少ないですね。お金がある観光客なら、立派なレストランに案内してもらえるでしょうが、バックパッカーにはちょっとつらい」

植村「ガッカリすることもあるのですが、それでも韓国を旅しているという実感が沸きます。とにかく、韓国は『ケンチャナヨ』の国ですよ」

康「ケンチャナヨ、というのは、いい加減な響きもありますが、人を傷つけない意味もあります。トラブルが起きたとしてもケンチャナヨの精神によって問題が解決することがあると思うんです」

植村「大いにありますね」

康「今まで韓国で生活感のある場所……たとえば市場に行く、鉄道に乗る、飲み屋に行く、それから観光地化されていない田舎なんかを歩いたときに、一番面白いのは現地の年配の人たちと会話を交わしたときですね。全体的におおらか。半島とは言っても大陸には違いがないわけで、島国から行ったときには解放感を感じます」

植村「文化的にも韓国は、中国と日本のド真ん中。大陸的なところもすごくありますし、日本人の情緒に近い雰囲気を感じることも多いですね。それから、韓国は行動的ですよ。とりあえず何かをしようとか、何かアクションを起こして問題があってもそこで解決していけばいい、という感じ。開き直りじゃないですが、何もしないよりは何かアクションを起こして、そこから乗り越えるのが面白いという空気がみなぎっていますね」

自分の感情を満足させることを優先

康「日本だと、ここから先をしゃべっちゃうとトラブルになるなと思ったら、自分で発言を抑えるところがあります。逆に、韓国の人は自分が思っていることを話さないと一番のストレスになるんです」

植村「たとえ揉めようが、自分がやりたいことは絶対にやる、という気持ちが強い」

康「韓国映画を見ていて思うのは、場面として残忍だったり、物議をかもすようなところも省略しないで全部見せる。そういう部分は日本ではほとんど省略してしまいます。日本映画で助かるのは、人間の感情をさかなでにするような辛い場面が少ないこと。韓国映画は、そういうところを絶対に省略せずに、ここまで見せるかというくらいに細かく描いていく。僕は、韓国映画が好きでよく見ていますけれど、何回も下を向いてしまう場面がありますよ」

植村「わかるような気がします」

康「どんなものでもありのままに出すし、人はできるだけ言いたいことを言う。揉めるかどうかはその後の問題であって、まずは自分の感情を満足させることを優先する。それが韓国だと思います」

植村「子供ときにどこか出かけるときのようなワクワク感といったものが、韓国には多いですね。さらに言うと、心のリハビリにピッタリ」

康「心のリハビリ?」

植村「自宅にいるときは、どうしてもパソコンの前で原稿書いたり、資料を整理したりということが多い。ストレスがたまります。そんな心を楽しくリハビリしてくれるのが韓国なんですよ」

康「それで50回以上も行っているんですね」

植村「リハビリですから何回も行かなければなりませんね(笑)」

-愛してる韓国ドラマK-POP-



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