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マスク着用拡大に…価格暴騰秒読み

2020’05.14・Thu

世界的なマスク着用拡大に…材料・原料不足で価格暴騰秒読み

マスクが「グローバルスタンダード」になっている。
マスクがかなり以前から生活用品として定着していた東アジアではもちろん、顔を隠す文化に懐疑的だった欧州や米国でも衛生必需品として急速に定着している。
新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)が拡散しながら生まれた新しい風俗図だ。

◆経済再開するには検査拡大とマスクが必須

特に封鎖緩和と経済再開の条件として、新型コロナの検査拡大およびソーシャル・ディスタンシング(社会的距離の確保)とともにマスク着用を義務化する国が増加している。
ドイツでは4月29日に封鎖を緩和しながら、公共交通機関の利用と商店での買い物時にはマスクの着用を義務化した。
地域別によっては、これに反すれば巨額の罰金を科すところもあるという。
オーストリアでは4月30日から買い物に出かける時のマスク着用を義務化しながら、セバスティアン・クルツ首相が「不便だとは思うが、感染抑制に必要だ」と国民を説得した。
フランスでは5月11日に全国移動制限令が解除されながら公共交通機関の乗客と運転者のマスク着用が義務化された。
スペインも5月4日から外部活動時はマスクの着用を義務化した。
今後封鎖の解除が進み経済活動の再開が活発化し、特に学校が始まればマスクの需要は爆発的に増えるほかない。

◆米国と欧州、自国産マスク輸出から遮断

マスク着用が拡大しながら、各国は物量確保が緊急事態となった。
マスク不足はある面では政府や指導者の政治的力を評価するものさしにもなりかねない状況だ。
このような状況で、米国と欧州は自国で生産したマスクの輸出から遮断している。
欧州連合(EU)はすでに3月16日、マスクはもちろん保護手袋、保護メガネ、フェイスシールド、保護服など新型コロナ感染から身体を守る個人保護装備(PPE)をEU外に輸出できないように制限したとユーロニュースが報じた。

フランスのエマニュエル・マクロン大統領は今年末まで医療用マスク生産を4倍に増やして供給を外国に依存せず完全に独立すると公言した。
マクロン大統領はフランスの1週間あたりのマスク需要4000万枚のうち、自国内で供給できる物量が4分の1にも達しておらず、医療スタッフが危険にさらされているという指摘が出るとこのように約束した。
ドイツはマスクの海外輸出を一時制限した。
EUから離脱した英国は海外からのマスク輸入拡大を試みているとBBCが伝えた。
ブルームバーグニュースによると、米国は第2次世界大戦当時に制定した国防生産法まで動員して高性能医療用マスクの輸出を制限している。
このように新型コロナの拡大で、マスク確保が各国の国家的課題としてその位置を確立した。
国内で十分に正しく作ることができなければ外国から買ってくるしかない。

◆マスク278億枚、中国輸出上昇をけん引

このような状況に乗じて、新型コロナ危機からいち早く抜け出した中国はまだ疫病に苦しめられている国に対してマスクを大量に輸出してかなりの利益を上げている。
中国は3~4月、全世界に278億枚のマスクと1億3000万枚の保護服を輸出したと朝日新聞が8日、中国の税関業務をつかさどる海関総署の発表を引用して報じた。
中国のマスク・保護服などの個人保護用品(PPE)輸出は3~4月に712億人民元(約1兆円)に達した。
輸出ペースも速く、4月上旬は一日10億人民元から4月末には一日30億人民元以上に増えた。
マスクなど保護用品の輸出好調を追い風に中国の4月の全体輸出は1月以降初めて昨年同期に比べて上昇(3.5%)を記録した。
金額では2003億ドル(約21兆4800億ウォン)を記録した。

読売新聞の報道によると、中国では需要の爆発でマスク製造業が好景気を迎えている。
中国の調査会社によると、マスクを取り扱う現地企業が9000社近く増えた。
中国では1月まで一日のマスク生産量が2000万枚程度だったが、最近では2億枚を超える。
新型コロナの世界的な拡大を利用して中国がマスク生産と輸出にどれくら力を入れていたかをよく物語っている。

◆材料不織布40倍、原料のポリプロピレン2倍暴騰

マスク生産量の急増で材料である不織布と不織布の原料であるポリプロピレン(PP)の価格も天井知らずだ。
中国現地メディアのGlobal Times(グローバルタイムズ)はマスクの材料として使われている不織布の価格が中国で1トン当たり70万人民元で、6カ月前と比べて約40倍値上がりしたと先月20日、報じた。
グローバルタイムズは中国共産党機関紙「人民日報」の姉妹紙「環球時報」の英字新聞だ。この報道によると、不織布1トンから約2万枚のマスクを作ることができる。
不織布の原料であるポリプロピレンも1トンあたり2万2000人民元でこの3日で2倍に値上がりしたと伝えた。
国連の2016年統計によると、不織布の原料であるポリプロピレンの生産は中国が2020万トン、中国以外のアジア地域が1870万トン、欧州が1100万トン、北米が860万トン、中東が760万トン、南米が310万トン、アフリカが130万トン、その他地域が330万トンをそれぞれ生産している。
これに伴い、世界的にマスク確保競争が加速すれば、米国と欧州を中心にポリプロピレンと不織布の価格が上昇するか、物量不足事態が起きる場合がある。

◆ホワイトハウス職員の陽性事態、マスクの関心高める

先週末の9~10日、米国社会でマスク着用拡大の変曲点になるほどの大型事件が起きた。
大統領と副大統領を近くで補佐するホワイトハウス職員がマスクをせずに仕事についていたところ、新型コロナの陽性判定を受けるという事件が発生した。
マスクの需要を高める契機になりえる衝撃的な事件だ。

CNNはマイク・ペンス副大統領の報道官であるケイティ・ミラー氏が新型コロナの陽性判定を受けたと9日、報じた。
ミラー報道官は陽性が判明する前日、ペンス副大統領が出席した行事場所でマスクをつけないで取材陣と話をする様子がカメラに捉えられた。
そのうえ、ミラー報道官の夫はスティーブン・ミラー大統領上級顧問だ。
トランプ大統領を象徴する「超強硬移民政策」を立案した核心側近であるため、当然、トランプ大統領との接触も頻繁だ。

◆米コロナ最高責任者が相次いで自宅隔離

ニューヨーク・タイムズ(NYT)はミラー報道官が米国の最高公衆衛生専門家が出席する新型コロナ・タスクフォース(TF)会議に繰り返し出席していたと報じた。
このためにTFに含まれていた疾病対策センター(CDC)のロバート・レッドフィールド局長、食品医薬局(FDA)のスティーブン・ハーン局長が新型コロナ感染者と接触した事実が確認されて週末から2週間の自宅隔離に入った。
ホワイトハウスTFを主導してきた米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長も緩やかな形の自宅隔離を始めた。
ファウチ所長は12日、上院で開かれる新型コロナ対応公聴会に出席し、コロナの未来に対して率直な意見を明らかにするものと予想されたが、自宅隔離のために不透明だった。

それだけではない。
トランプ大統領の長女であるイバンカ上級顧問の個人秘書も感染し、大統領を警護する秘密警護員のうち11人も陽性判定を受けた。
警護員は初期はマスクをつけていなかったが、専門家の指摘を受けて一歩遅れて着用した。

最も大きな問題は、トランプ大統領とペンス副大統領、そしてミラー報道官やミラー上級顧問らホワイトハウスの高官が一様にマスクを着用していなかったという事実だ。
トランプ大統領は今月5日、アリゾナ州にあるハネウェル社の医療用N95マスク製造工場を訪問したが、マスクをつけた姿は見せなかったとCNNが報じた。
ペンス副大統領は先月28日に病院を訪問した場で、一人だけマスクを着用しなかった姿を見せて非難を受けたとAP通信が報じた。
ペンス副大統領はミネソタ州の大型病院メイヨー・クリニックを訪問して新型コロナ回復患者などに会って保健関係者と円卓会議を行う際、マスクをつけなかった。

◆「防疫大統領」イメージ守るためにマスク拒否か

ではなぜトランプ大統領やペンス副大統領はマスクをつけなかったのか。
先月3日、米国のCDCが自発的なフェイスシールドの着用を勧告すると、トランプ大統領は国民にこのような勧告を伝えながら自分は使わないと明らかにした。
その理由について「シールドを着用して(他国の)大統領、首相、独裁者、王、女王を迎えることは考えられない」と話した。
新型コロナの世界的なパンデミックによって人的訪問外交が中断された状況であることを勘案すると、理解しにくい説明だ。

トランプ大統領の理解しにくい説明については、今年11月大統領選挙を控えた立場で、マスクをつけた姿を大衆に見せれば「防疫に失敗した大統領」というイメージを与えかねず、これを警戒しているという見方もある。
あわせて個人の自由と政府からの干渉受けない権利を重視する米国保守派と共和党の理念を反映したという分析もある。
反面、米国民主党と自由主義者は共同体の利益を重視するため手洗いやソーシャル・ディスタンシング、マスク着用の指示に良く従う傾向があるという主張もある。

◆米国までマスクが一般化すれば確保競争が加速

このような状況で、マスクをせずに仕事をしていたホワイトハウス職員から陽性反応が出たことを受けて、数多くの接触者が自宅隔離に入った今回の事件は、米国社会に警戒心を植え付けてマスク着用を促進するものと期待される。
巨大市場である米国でマスクが大量に消費されれば、マスクはもちろんその材料である不織布、その原料であるポリプロピレンの需要が急速に増加する。
場合によっては「マスク武器化」や「材料と原料確保戦争」が起こるかもしれない。
新型コロナ第2波に備えるためにもマスクとその材料・原料を十分に確保する必要がある。
マスクは今や戦略物資だ。

-中央日報-



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